こんにちわ
ゴールドステーション小手指店です。
本日第3弾は【入手困難な焼酎・森伊蔵、魔王】について
ご紹介します。

【目次】

名前の由来

白玉醸造

一線を画す味わい

その1.麹

その2.熟成

定価での購入は極めて困難

まとめ

【入手困難な焼酎、3Ｍ】

芋焼酎の3Ｍ（スリーエム）をご存じでしょうか？
森伊蔵、魔王、村尾という特に人気が高く、定価での入手が極めて難しいプレミアム焼酎のことです。
この内の魔王について見ていきましょう。

名前の由来

驚きとともに印象に残る「魔王」という名前の由来は、
お酒（特に蒸留酒）を樽で熟成させるとき、年々少しずつ蒸発して減っていきます。
これを「天使の分け前」というおしゃれな言い方があります。
ちなみに日本だけでなく、英語でもきちんとAngels’ share と言われています。
熟成させている環境にもよりますが、1年間で1～3%、場合によってはそれ以上目減りしていくので天使の仕業だとすると相当な酒好きですね。長期熟成品が高額になる要因の一つでもあります。

魔王の名前はこの天使たちを誘惑して魔界に酒を調達する悪魔たちによって
もたらされた最高のお酒という意味があるそうです。
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白玉醸造

作っているのは鹿児島県の白玉醸造。創業は1912年と老舗ですが
魔王の人気が高まったのは2003年ごろの本格焼酎ブームの時です。
ここは他にも米焼酎の「天誅」、樫樽貯蔵の麦焼酎の「元老院」、
そして魔王とは異なるタイプの芋焼酎「白玉の露」を作っています。
ファンならば誰しも知るような高品質な焼酎揃いですが、魔王ほどの知名度が無いのは焼酎作りに全力で、
あまり宣伝に力を入れていないのかもしれません。

一線を画す味わい

焼酎ブームが去ってからもいまだに高い人気を誇っているのはその独特の味わいによるものでしょう。
芋焼酎と言えば多くは飲んだことがあればすぐに分かるような芋の香りがあります。
芋焼酎好きにはこの香りがたまらないのですが、クセのある香味は苦手な人は
なかなか受け付けられるものではないと思います。魔王にはこの「芋らしさ」がありません。
芋焼酎ファンに目隠しで飲ませて、果たしてこれが芋焼酎と気づくのでしょうか？
グラスに注がれるだけでフルーティーな香りが立ち込め、
口当たりは蒸留酒とは思えないほど柔らかく、スっと喉を通っていき爽やかな余韻が残ります。
上等な日本酒や白ワインにも似た特徴があるのです。芋焼酎はお湯割りで楽しまれることが多いようですが、
魔王はこの香味を楽しむためにロックがお勧めです。他の芋焼酎と何が違うのでしょう。
大きくは二つあります。

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その1.麹

麹とはカビを中心とした微生物を繁殖させたものです。
お酒は糖分を酵母によってアルコール発酵させることによって得られます。
これはあらゆる酒類が同じです。しかし、糖分ではなく、
でんぷんは一度糖分に変える必要があるのです。ウィスキー作りでは麦芽がその役割を持っています。
そして、温暖湿潤な日本では焼酎も日本酒も、
米も芋もこの麹によってその中に含まれるでんぷん質を糖分に変えていきます。
この麹の種類によって得られる香味が変わってくる重要な要素です。
芋焼酎では一般的に白麹と黒麹が使われてきましたが、魔王では黄麹が使われています。
黄麹は日本酒や味噌、醤油などに使用されている麹で焼酎にはあまり使用されません。
また、黄麹は他の雑菌に対して弱いため温暖な九州では扱いが難しいとされています。
しかし、この黄麹によって魔王ならではのフルーティーな香味が生み出されているのです。

その2.熟成

魔王の柔らかな口当たりは熟成によって生まれます。
蒸留したてのお酒はどれも口当たりが強く、荒々しい味わいをしているものですが、
熟成によって角がとれ、まろやかな口当たりのお酒になっていくのです。

定価での購入は極めて困難

魔王はどこの酒屋にも卸しているわけではなく、昔からの決まった酒屋に卸しています。
しかし、その決まった酒屋も決まった飲食店や常連のお客さんに販売するのがほとんどです。
一部の酒屋は注文すれば定価で購入することはできるそうですが、
注文から1年近く待つことになるのが常といいます。何しろ欲しい人だらけの焼酎です。
通販ですぐに購入できるのはほぼ幾つかの酒屋をまたがって動いてきたプレミアム価格の物です。しかし、すぐに欲しい場合はこれ以外の手段はほぼ無いでしょう。

まとめ

焼酎ブームが去ってもう10年以上が経つにも拘わらず、
いまだに高い人気を保ち続ける魔王。

その名前とは裏腹に洗練された華やかな味わいの焼酎で、「芋の香りが苦手」という人が魔王を飲んでどんな反応をするのか楽しみなくらい、
他の芋焼酎とは別物の存在です。機会があったら一度は飲んでみるべき焼酎です。